体の中の時間割 ホルモンを味方につける一日

体の中の時間割 ホルモンを味方につける一日 健康・からだ

📂 健康・からだ

体の中の時間割 ホルモンを味方につける一日

目覚まし時計が鳴る数分前に、なんとなく目が覚めてしまう朝がありませんか。あれは気のせいではなく、体のほうが先に「そろそろ起きるぞ」と準備を始めているからだと考えられています。私たちが意識していないところで、複数のホルモンが時間割のように交代しながら働いている。この特集の締めくくりとして、その一日を朝から順に眺めてみます。

朝、体は起きる前から動き出している

厚生労働省のe-ヘルスネットには、朝方になると覚醒作用を持つ副腎皮質ホルモンの分泌が始まる、という説明があります。コルチゾールと呼ばれるホルモンです。まぶたが開くより前に血圧や体温がじわじわ上がって、体を動ける状態に持っていく。目覚まし時計は、その準備がある程度済んだところに鳴っているにすぎない、というわけです。

そこにカーテンを開けると、光が入ります。網膜に達した光は体内時計の時刻を整える効果があるとされ、特に朝に浴びた光は時計を早める、つまり朝型に寄せる方向に働くと報告されています。

ここが少し不思議なところなのですが、朝の光がいちばん効いてくるのは、その日の夜です。夜になると体内時計ホルモンであるメラトニンが分泌を始め、眠気を連れてくる。朝に打った一手が、十数時間かけて夜に返ってくる。朝の光は、今日の目覚めのためというより、今夜の眠りへの仕込みだと考えたほうが実感に近いかもしれません。

昼は、食べて、動いて、少し人と話す

朝食を食べれば血糖が上がり、インスリンが働いて、細胞にエネルギーが配られていきます。食事のタイミングと体内時計の関係については研究が進んでいる最中で、はっきり言い切れないことも多いのですが、一日の始まりに体へ燃料を入れる意味は小さくないはずです。

体を動かすことについては、厚生労働省の身体活動・運動ガイド2023が成人に対して、次のように示しています。

  • 歩行かそれと同等以上の強度の身体活動を一日60分以上
  • 筋力トレーニングを週2〜3日
  • 座りっぱなしの時間が長くなりすぎないように注意する

60分と聞くと身構えますが、通勤も買い物も掃除もこの60分に含まれます。すでに達している人も案外多い。

人と少し話すこと、笑うことも、日中の過ごし方としては悪くないと思います。ただ、それでホルモンがどう動くかを断言できるほどの根拠は、正直まだ手元にありません。気分が軽くなるなら、それで十分でしょう。

夜は、明かりを落とすところから

夜にすることの中で、たぶん一番効くのが照明です。白色LEDには体内時計に強く作用するブルーライトが多く含まれるため要注意、とe-ヘルスネットは指摘しています。寝室の照度を落とす、スマートフォンを枕元に持ち込まない。せっかく朝に整えた時計を、夜に自分でずらさない工夫です。

入浴は就寝の1〜2時間前がもっとも効果的とされています。湯船から出たあと体温が下がっていく流れが、そのまま眠りへの入り口になる。

そして眠りに落ちた直後。入眠直後の深いノンレム睡眠に一致して成長ホルモンの分泌がみられる、と記されています。体の修復に関わるホルモンが、最初のひと山で集中的に出る。だとすれば大事なのは何時に寝るかより、寝ついてすぐの深い眠りを邪魔しないことのほうだと言えそうです。

全部やらなくていい

ここまで読んで、やることが増えたように感じたなら申し訳ないです。一日を丸ごと組み替える必要はありません。

もし一つだけ選ぶなら、起きる時刻をそろえて、起きたら光を浴びる。これだけでいいと思います。起床時刻は一日の時間割のスタート地点で、ここが毎日ぶれると、後に続く食事も活動も眠気もまとめてずれていきます。逆にここが定まると、他は放っておいてもある程度ついてくる。休日に少し寝坊するくらいなら、それも含めて自分のリズムです。

体の感じ方には大きな個人差がありますし、生活の形も人それぞれです。眠れない日が続く、日中の強い眠気が取れない、疲れが抜けないといったことが長引くようであれば、生活習慣のせいだと自分で片づけず、一度医療機関に相談してみてください。

参考・出典

この記事は、公開されている研究・公的情報をもとに、縁ノート編集部(理学療法士 監修)が作成しています。効果を保証するものではなく、体調の感じ方には個人差があります。気になる症状がある場合は、自己判断せず医療機関にご相談ください。

画像: “Morning skies (II)” by Vince Alongi is licensed under CC BY 2.0. To view a copy of this license, visit https://creativecommons.org/licenses/by/2.0/.(Openverse)

タイトルとURLをコピーしました