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全員に好かれようとすると、誰にも好かれなくなる理由
「嫌われたくない。」
そう思ったことはありませんか?
職場で。学校で。友人関係で。SNSでも。
私たちは知らず知らずのうちに、「みんなに好かれる人」を目指してしまいます。
でも、本当にそれは可能なのでしょうか。
全員に好かれる人は、ほとんど存在しない
少し考えてみてください。
あなたにも、「人気者だけど、私はあまり好きじゃない。」そんな人が一人くらいはいるのではないでしょうか。
ということは、逆も同じです。
どんなに優しい人でも、どんなに誠実な人でも、必ず「合わない」と感じる人はいます。
これは性格が悪いからではありません。人それぞれ育った環境や価値観、大切にしていることが違うからです。
つまり、「全員に好かれる」という目標そのものが、とても難しいことなのです。
嫌われたくない気持ちが、自分らしさを失わせる
心理学者カール・ロジャーズは、「ありのままの自分」と「実際の行動」が一致している状態を「自己一致」と呼びました。
自己一致している人ほど、心が安定し、人間関係も良好になりやすいと考えられています。
反対に、
- 相手によって態度を変える。
- 本当は嫌なのに断れない。
- 言いたいことを飲み込んでしまう。
そんな状態が続くと、「本当の自分」と「見せている自分」のズレが大きくなります。
すると、少しずつ心は疲れてしまいます。
「八方美人」は、なぜ疲れるのか
全員に合わせようとすると、
- Aさんの前ではこう振る舞い、
- Bさんの前では違う自分になり、
- Cさんの前ではさらに別の自分を演じることになります。
これは脳にとって、とてもエネルギーを使うことです。
さらに、不思議なことがあります。
誰にでも良い顔をしている人は、「本音が見えない。」「何を考えているか分からない。」と思われることがあります。
つまり、誰にも嫌われないようにした結果、誰からも深く信頼されにくくなってしまうことがあるのです。
「嫌われる勇気」は、嫌われることではない
ここで勘違いしてはいけないことがあります。
「嫌われてもいい。」というのは、好き勝手に振る舞うことでも、人を傷つけることでもありません。
大切なのは、
- 自分の考えを持ち、
- 相手を尊重しながら、
- 必要なときには「NO」と言えることです。
それが結果として、一部の人には嫌われることがあるかもしれません。
でも、それは自然なことです。
あなたを嫌う人がいるのは、あなたがおかしいからではない
心理学には「確証バイアス」という考え方があります。
人は一度、「あの人は苦手。」と思うと、その考えを裏付ける情報ばかり集めてしまいます。
逆に、「あの人は良い人。」と思えば、小さな失敗は気にならなくなります。
つまり、人の評価は必ずしも事実だけで決まるわけではありません。
だから、すべての人に理解してもらおうと努力し続けることは、とても苦しいことなのです。
大切なのは、「誰に好かれるか」
人生は限られています。
その時間を、「嫌われないため」に使うのか。それとも、「大切な人を大切にするため」に使うのか。
どちらが豊かな人生でしょうか。
全員に好かれることは難しくても、家族。親友。信頼できる仲間。そんな人たちとの関係を大切にすることはできます。
全員に拍手される人生ではなくてもいい。
本当に大切な人が、「あなたらしくていいね。」そう言ってくれる人生なら、それは十分幸せなのではないでしょうか。
私たちは、誰かに嫌われないために生きる必要はありません。
自分らしく、誠実に生きた結果として、価値観の合わない人がいる。それは失敗ではなく、ごく自然なことです。
だから明日からは、「全員に好かれること」を目標にするのではなく、「大切な人に誠実でいること」を目標にしてみませんか。
参考文献
- Carl R. Rogers. On Becoming a Person. Houghton Mifflin, 1961.
- Nickerson RS. Confirmation Bias: A Ubiquitous Phenomenon in Many Guises. Review of General Psychology. 1998.
- Baumeister RF, Leary MR. The Need to Belong: Desire for Interpersonal Attachments as a Fundamental Human Motivation. Psychological Bulletin. 1995.
✍️ この記事はTOM さんの寄稿をもとに構成しました。(サイト → enishi-note.site)


