📂 健康・からだ
ビタミンB12完全ガイド|血液と神経を支える「赤いビタミン」の正体
「なんだか疲れやすい・顔色が悪いと言われる」
「手足がしびれる感じがある。」
そんなとき、関係していることがあるのがビタミンB12です。
ビタミンB12は「赤いビタミン」とも呼ばれ、血液(赤血球)をつくり、神経の働きを支える大切な栄養素です。そして最大の特徴は、肉・魚・卵・乳製品などの動物性食品にしか、ほとんど含まれていないこと。菜食中心の方や高齢の方は、特に意識したい栄養素です。
この記事では、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」や国立健康・栄養研究所の情報をもとに、ビタミンB12について詳しく解説します。
ビタミンB12とは?
ビタミンB12は水溶性ビタミンですが、他のB群と少し違う特徴があります。
- 肝臓にある程度ためておける(そのため不足の影響は数年かけてゆっくり現れることがある)
- 吸収には胃から出る「内因子」というたんぱく質が必要(胃の働きが落ちると吸収されにくい)
- 植物性食品にはほとんど含まれない
この3つが、ビタミンB12を理解するうえでの重要なポイントです。
ビタミンB12の4つの働き
① 血液(赤血球)をつくる
ビタミンB12は、葉酸と協力して正常な赤血球をつくります。不足すると、赤血球が大きくいびつになる「巨赤芽球性貧血(悪性貧血)」につながることがあります。
② 神経の働きを保つ
末梢神経を構成する成分に関わり、神経を正常に保つ・修復する働きがあります。不足が続くと、手足のしびれや感覚の異常が起こることがあります。
③ DNAの合成に関わる
細胞が新しく生まれ変わるときに必要なDNA合成に関わり、体のあらゆる組織の新陳代謝を支えています。
④ 体のコンディションを支える
血液と神経が整っていることは、日々の活動の土台です。理学療法士としても、しびれや倦怠感が続く方では、背景に栄養や貧血が隠れていないか気になるところです。
あなたは足りてる?1日に必要な量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」における推奨量は以下のとおりです。
| 対象 | 推奨量(1日あたり) |
|---|---|
| 成人男性・女性(18歳以上) | 2.4 μg |
※単位は μg(マイクログラム)です。妊娠中・授乳中は必要量が増えます。
摂り過ぎるとどうなる?
ビタミンB12は水溶性で、吸収量が体の状態に応じて調整されるため、通常の食事やサプリメントで過剰症の心配はほとんどないとされています。耐容上限量も設定されていません。
ただし、しびれや貧血などの症状がある場合は、自己判断でサプリに頼るより、まず医療機関で原因を調べることが大切です。
食品で考えるとどのくらい?
ビタミンB12は、貝類・レバー・魚に特に豊富です。植物性食品にはほとんど含まれていません。
| 食品 | 特徴 |
|---|---|
| しじみ・あさりなどの貝類 | 非常に豊富 |
| レバー(牛・鶏) | トップクラス |
| さんま・にしんなどの魚 | 手軽に補える |
| 卵・乳製品 | 少量だが日常的に摂りやすい |
ビタミンB12が多い食品ランキング
- しじみ
- あさり
- 牛レバー
- 牡蠣(かき)
- さんま
- にしん
- 鶏レバー
- さば
- 卵
- チーズなどの乳製品
魚介類と動物性食品が中心。植物性食品では基本的に補えない点に注意しましょう。
不足しやすい人
次のような人は不足しやすい傾向があります。
- 肉・魚・卵・乳製品をとらない完全菜食(ビーガン)の人
- 高齢の人(胃酸の分泌が減り、吸収されにくくなる)
- 胃を切除した人・胃腸の病気がある人
- 妊娠中・授乳中の人
菜食中心の方は、B12を強化した食品やサプリメントの活用も選択肢になります。取り入れ方は医師・管理栄養士に相談すると安心です。
効率よく摂るコツ
- 貝類はみそ汁やスープにして、汁ごといただくと無駄が少ない
- 魚・卵・乳製品を、日々の食事に少しずつ組み合わせる
- 菜食の方は、B12を添加した食品やサプリも検討する
サプリメントは必要?
動物性食品をバランスよく食べていれば、通常は食事で足ります。
一方、完全菜食の方・高齢で食が細い方・吸収に不安のある方では、サプリメントが役立つことがあります。使う場合は医師・薬剤師・管理栄養士に相談しましょう。
よくある質問
Q. 菜食中心だと不足しますか?
肉・魚・卵・乳製品をとらない完全菜食では不足しやすくなります。B12を強化した食品やサプリメントの活用を検討しましょう。
Q. 高齢だと不足しやすいと聞きました。
加齢で胃酸の分泌が減ると、食品中のB12を吸収しにくくなることがあります。気になる場合は医療機関に相談を。
Q. 摂りすぎは体に悪い?
通常は吸収量が調整されるため、過剰の心配はほとんどないとされています。ただし症状がある場合は自己判断せず受診を。
まとめ
ビタミンB12は「赤いビタミン」として、血液づくりと神経の健康を支える栄養素です。
- 成人の推奨量は2.4μg/日(単位はマイクログラム)
- 動物性食品にしかほとんど含まれない(菜食の人は要注意)
- 貝類・レバー・魚が優れた供給源
- 高齢者・胃の病気がある人は吸収が落ちて不足しやすい
- 過剰の心配は少ないが、症状があるときはまず受診を
魚介類や卵、乳製品を上手に取り入れながら、血液と神経の健康を支えていきましょう。
ほかのビタミン・ミネラルもまとめてチェック → ビタミン・ミネラル完全ガイド【17種まとめ】
参考文献
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」策定検討会報告書
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
- ビタミン|e-ヘルスネット(厚生労働省)
- 国立健康・栄養研究所「健康食品」の安全性・有効性情報
次回は「ビタミンC完全ガイド」として、抗酸化作用や鉄の吸収、美容・免疫との関わりまで詳しく解説していきます。


