📂 健康・からだ
ビタミンD完全ガイド|骨と筋力を支える「日光のビタミン」
「最近あまり外に出ていない」
「年齢とともに、骨や足腰が気になってきた。」
そんな人にこそ知ってほしいのが、ビタミンDです。
ビタミンDは、カルシウムの吸収を助けて骨を丈夫にし、筋力を支える栄養素。さらに、日光を浴びることで皮膚でもつくられるというユニークな特徴があります。室内で過ごす時間が長い現代人には、不足しやすい栄養素の一つです。
この記事では、厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」などをもとに、ビタミンDを詳しく解説します。
ビタミンDとは?
ビタミンDは、油に溶けやすい脂溶性ビタミンです。
- 体(肝臓・脂肪組織)にためておける
- そのため、摂りすぎ(過剰)には注意が必要
- 食事から摂るほか、日光(紫外線)を浴びて皮膚でつくることもできる
水溶性のビタミンB・Cとは違い、「ためられる=摂りすぎ注意」という点が大きな違いです。
ビタミンDの4つの働き
① カルシウムの吸収を助け、骨を丈夫にする
ビタミンDの最も重要な働きです。食事から摂ったカルシウムの吸収を促し、丈夫な骨づくりを支えます。不足すると、子どもでは「くる病」、大人では「骨軟化症」「骨粗しょう症」につながることがあります。
② 筋力・筋肉の働きを支える
ビタミンDは筋肉の働きにも関わっています。骨と筋力を支えることは、転倒や骨折の予防という観点からも大切です。
③ 血液中のカルシウム濃度を保つ
血中のカルシウム濃度を一定に保ち、筋肉の収縮や神経の伝達を正常に行う手助けをします。
④ 免疫の維持に関わる
免疫の働きの維持にも関係するとされ、近年注目されている栄養素です。
あなたは足りてる?1日に必要な量
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」における目安量は以下のとおりです。
| 対象 | 目安量(1日あたり) |
|---|---|
| 成人男性・女性(18歳以上) | 8.5 μg |
※単位は μg(マイクログラム)。これは食事からの目安で、日光でつくられる分は含みません。
日光でもつくられる
ビタミンDは、日光(紫外線)を浴びることで皮膚でもつくられます。目安として、夏の日中なら15〜20分程度日に当たれば十分とされています(季節・地域・肌の状態で変わります)。
ただし、日焼けや紫外線の影響には配慮が必要です。長時間の直射日光を浴びるのではなく、適度に。冬や、屋内中心の生活の人は、食事からの摂取をより意識しましょう。
摂り過ぎるとどうなる?
ビタミンDは脂溶性で体にためられるため、摂りすぎには注意が必要です。耐容上限量は成人で1日100μgとされています。
通常の食事や適度な日光では過剰の心配は少ないですが、サプリメントを使う人・ビタミンDやカルシウムを含む薬を使う人・腎臓に病気がある人は、過剰による高カルシウム血症などに注意が必要です。サプリの多用は避け、必要な場合は医師に相談しましょう。
食品で考えるとどのくらい?
ビタミンDは、魚類に特に豊富です。きのこ類にも含まれています。
| 食品 | 特徴 |
|---|---|
| 焼き鮭・さんま・うなぎ蒲焼 | 1食で1日分をまかなえることも |
| いわし・さばなどの青魚 | 手軽に摂れる |
| 乾燥きくらげ・干ししいたけ | きのこ類の代表。油で調理すると吸収UP |
| 卵黄 | 少量だが日常的に摂りやすい |
ビタミンDが多い食品ランキング
- 乾燥きくらげ
- 鮭(焼き)
- さんま
- いわし丸干し
- うなぎ蒲焼
- しらす干し
- さば
- 干ししいたけ
- 卵黄
- まいたけ
魚が中心。きのこ類は日光(乾燥)でビタミンDが増えるのが特徴です。
不足しやすい人
次のような人は不足しやすい傾向があります。
- 日光を浴びる機会が少ない(室内中心・夜勤・外出が少ない)
- 高齢の人(皮膚での合成能力が低下する)
- 日焼け止めをいつもしっかり使う
- 魚をあまり食べない
- 妊娠中・授乳中
理学療法士としても、骨と筋力は「転ばない・折れない体づくり」の土台。特にご高齢の方や運動不足の方は、ビタミンDを意識する価値が大きいと感じます。
効率よく摂るコツ
- 食事(魚・きのこ)+適度な日光の両輪で
- 脂溶性なので、油と一緒に調理すると吸収が高まる(きのこのソテーなど)
- 干ししいたけ・きくらげは、天日で干すとビタミンDが増える
サプリメントは必要?
まずは食事と適度な日光からが基本です。
日光を浴びにくい生活の人・高齢の人・魚を食べない人などでは、サプリメントが役立つことがあります。ただし脂溶性で過剰のリスクがあるため、自己判断での高用量は避け、医師・薬剤師に相談しましょう。
よくある質問
Q. 日光にはどれくらい当たればいい?
夏の日中で15〜20分程度が目安とされますが、季節・地域・肌質で変わります。日焼けに配慮しつつ、適度に。
Q. 日焼け止めを使うと不足しますか?
紫外線をカットするため皮膚での合成は減りますが、食事からの摂取で補えるため、過度に心配せず、日焼け対策と食事の両立を。
Q. サプリで摂りすぎる心配は?
脂溶性で体にたまるため、高用量の長期摂取は高カルシウム血症などのリスクがあります。目安量を守り、心配な場合は受診を。
まとめ
ビタミンDは、**骨と筋力を支える「日光のビタミン」**です。
- 成人の目安量は8.5μg/日(食事から)
- 日光でもつくられるが、屋内中心・高齢の人は不足しやすい
- 魚・きのこが優れた供給源。脂溶性なので油と一緒に
- 脂溶性=ためられる=摂りすぎ注意(耐容上限100μg/日)
- 骨と筋力は「転ばない体づくり」の土台
魚やきのこを食事に取り入れ、天気のいい日は少し外へ。骨と足腰の健康を、毎日の習慣から支えていきましょう。
ほかのビタミン・ミネラルもまとめてチェック → ビタミン・ミネラル完全ガイド【17種まとめ】
参考文献
次回は「ビタミンE完全ガイド」として、抗酸化作用や血行、若々しさとの関わり、多く含む食品まで詳しく解説していきます。


