840時間かけて31個のアプリを作り収益0円。開発から見えてきたもの

31個のアプリを作って収益0円。840時間の開発から見えてきたもの AI・テクノロジー

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840時間かけて31個のアプリを作り収益0円。開発から見えてきたもの

アプリを31個作った。現在、App Storeで公開しているのは3個。そして現時点でのアプリ収益は、0円。

せっかくなので、公開しているアプリの数字もそのまま書いておく。

  • 「あしあと」は、歩いた距離で実際の街道を旅していく散歩アプリ。公開から約1週間で7ダウンロード。
  • 「Qto」は、食品をスキャンして、食べるかどうかの判断を手助けするアプリ。5月6日に公開して、現在11ダウンロード。
  • 「パッと図解」は、話した内容をその場で図にするアプリ。8月16日に公開したばかりなので、まだ集計前。

7件と11件。なかなかの数字である。

もちろん、31個すべてを公開して売れなかったわけではない。まだ公開していないものが大半で、これから順次リリースしていく予定になっている。

なので、これは失敗談ではない。まだ途中の話だ。

ただ、ここまで一体どれくらいの時間を使ったのか気になって、これまでの開発状況や作業量をもとにAIに推計してもらった。

約840時間。

ちなみに、この840時間にPythonを独学していた時間は含まれていない。あくまでアプリを作り始めてから現在までの推定だ。

31個。840時間。0円。

こうして並べてみると、さすがに一度立ち止まって考えたくなる。なぜこうなったのか。

AIと一緒に振り返ってみたら、これからAIでアプリを作ろうとしている人にも、少し役に立つかもしれないことが見えてきた。

最初はPythonを独学していた

もともとの仕事は理学療法士。プログラマーでもエンジニアでもない。

最初にプログラミングに興味を持ったきっかけは、データ分析だった。

Pythonを独学で勉強して、分からなければ検索する。コードを書いて、エラーが出たらまた検索する。そんなことを繰り返しながら、少しずつできることを増やしていった。

最終的には、敬愛する大谷翔平選手の公開データを使ってパフォーマンスを分析するところまでできるようになった。

それまで専門家にしかできないと思っていたようなことが、自分で書いたコードでできる。これは純粋に面白かった。

ところが、その後AIを本格的に使い始めて衝撃を受けた。

Pythonで苦労して書いていたような処理を、「こういうことがしたい」と説明すると数秒で書いてくれる。エラーが出れば原因を考えてくれるし、「このデータからこんなことを調べたい」と言えば、分析方法まで提案してくれる。

独学で何度も検索しながら覚えたことを、AIは一瞬でやってしまった。

もちろん、Pythonを勉強したことを後悔しているわけではない。基礎を知っているからAIが何をしているのか分かることもあるし、「このコード、なんか変だぞ」と気づけることもある。

ただ、今から同じ道をもう一度歩くかと聞かれたら、たぶん歩かない。最初からAIを使う。全部覚えてから作るのではなく、作りながら必要なことを覚えていくと思う。

そして「作れる」ことが楽しくなった

理学療法士として働いていると、医療や介護の現場で「これ、もっと簡単にできないかな」と思うことがある。

仕事以外でも同じだ。「これ面倒だな」「こういうものがあったら便利なのに」と思うことはいくらでもある。

以前なら、そこで終わっていた。アイデアがあっても、アプリにはできない。

でもAIを使うようになって、それが変わった。

「これ、アプリにできる?」と聞いてみる。方法を考える。作ってみる。動く。

これが本当に面白かった。

健康に関するもの。日常生活の小さな不便を解決するもの。実際に欲しかったもの。理学療法士としての経験から「こんなものがあったら役に立つ」と思ったもの。

最初から31個作ろうと思っていたわけではない。思いついたものを一つずつ形にしていったら、31個になっていた。

AIでアプリを作り始めた人なら、この感覚は少し分かるかもしれない。作れてしまうのだ。しかも、思っていたよりずっと速く。

31個作ってから、別の問題に気づいた

作れるようになった。では、公開してみよう。

バグを直して、アイコンを作って、スクリーンショットを用意して、説明文を書いて、App Storeの審査に出す。そして、ようやく公開される。

かなり嬉しい。

でも、その後に待っていたのが、7ダウンロード。11ダウンロード。だった。

ここでようやく気づいた。作れることと、使ってもらえることは全然違う。

AIは「どう作るか」をものすごく助けてくれる

AIに「こんなアプリを作りたい」と相談すると、かなり頼りになる。

必要な機能を一緒に考えてくれる。コードを書いてくれる。エラーを直してくれる。UIの案も出してくれる。

だから「どう作るか」で困る時間は、以前よりかなり減った。

ところが、「そもそも、それを誰が欲しいのか」となると話が変わる。

31個のアプリは、どれも「誰かの役に立つ」と思って作った。

でも、役に立つと思うこと。欲しいと思ってもらうこと。ダウンロードしてもらうこと。使い続けてもらうこと。お金を払ってもらうこと。全部違う。

そして、この間をどうやって埋めればいいのか。今まさに、ここで止まっている。

「作る前にユーザーに聞けばいい」

需要の調べ方を探すと、よく出てくる。「作る前にユーザーに聞く」

確かに正しい。31個作る前にやっておけばよかったとも思う。

でも、実際にやろうとすると、その一つ前で困る。そのユーザーを、どうやって見つければいいのか。

SNSのフォロワーが多ければ、「こんなアプリを考えています。使いたい人いますか?」と聞くこともできる。

でもフォロワーが少ない段階では、その質問自体を十分な人数に届けることが難しい。

では、友人や知人に聞けばいいのか。

もちろん、それも一つの方法だと思う。ただ、「それいいね」「欲しい」と言ってくれた人が、実際に想定している利用者とは限らない。

運よく想定している人に聞けたとしても、「使いたい」と答えることと、実際にダウンロードすることは違う。

ダウンロードすることと、半年後も使っていることも違う。有料なら、そこにもう一つ壁が増える。

だから、「作る前に人に聞けばよかった」だけでは終われない。

誰に聞くのか。どうやってその人を見つけるのか。何を聞くのか。返ってきた答えをどう判断するのか。

ここは、今もまだ答えが出ていない。

AIで作れる時代の難しさは、もしかするとここなのかもしれない

少し前まで、アプリを作りたいと思ったら「作れるかどうか」が大きな壁だった。

プログラミングを覚える。開発環境を整える。エラーを調べる。形にするだけでも大変だった。

AIによって、その壁はかなり低くなった。だから、31個も作れた。

でも「作る壁」が低くなったことで、その向こうにあった別の壁が見えるようになった。

何を作るのか。誰のために作るのか。その人をどこで見つけるのか。どうやって知ってもらうのか。本当に必要なのか。

どこまで作って試すのか。反応がなかったとき、改善するのか、やめるのか。

AIはコードを書いてくれる。でも、この判断まで全部任せることはできない。

少なくとも31個作った現在は、コードを書くことよりこちらの方がずっと難しい。

それでも、AIで作れるようになったことには大きな意味があると思う

ここまで書くと、「じゃあAIでアプリなんて作らない方がいい」という話に見えるかもしれない。

むしろ逆だ。

AIによって、これまで作る側ではなかった人が作れるようになったことには、大きな意味があると思っている。

理学療法士には、理学療法士だから気づく問題がある。介護職には介護職だから見える問題がある。教師には教師の、農家には農家の、子育てをしている人にはその人だから気づく不便がある。

以前なら、「こういうものがあったらいいのに」で終わっていた。

今は、その問題を知っている本人がAIと一緒に形にできる。これはかなり面白い変化だと思う。

だから、もしAIで何か作ってみたいものがあるなら、作ってみていいと思う。

ただ、31個作った側から一つだけ言えるとすれば、「作れる」と分かった瞬間から、作ること自体が目的にならないようにした方がいい。

これは現在進行形で自分にも言っている。

31個、840時間、0円。この先はまだ分からない

現在地はこうだ。

  • 開発したアプリ、31個。
  • App Storeで公開済み、3個。
  • 「あしあと」7ダウンロード。
  • 「Qto」11ダウンロード。
  • 「パッと図解」は公開したばかりで集計前。
  • アプリ開発を始めてからの推定時間、約840時間。
  • 収益、0円。

ただし、まだ公開していないアプリが大半なので、ここで「失敗しました」と結論を出すつもりもない。

これから残りのアプリも公開していく。

どれが使われるのか。どれは全然使われないのか。届け方を変えたら数字は変わるのか。31個から何個に絞ることになるのか。そして、0円がいつ動くのか。

まだ分からない。

だから、この記事にもきれいな結論はない。「こうすればアプリは売れる」という方法を教えられる段階でもない。むしろ、それをこれから試すところだ。

うまくいったことだけではなく、全然使われなかったもの、考えが外れたもの、途中でやめたものも含めて、この先も残していこうと思う。

もし今、AIでアプリを作り始めて同じようなところで立ち止まっている人がいたら、一緒に答えを探していけたら面白い。

そして、31個のアプリ、推定840時間、収益0円から始まったこの先の行く末を、見守ってもらえるとありがたい。

最後に時給換算してみる

せっかくなので、最後に時給換算もしておこうと思った。

アプリ開発に使った時間、約840時間。そこから得た収益、0円。

つまり、840時間 × 0円。

……。

時給換算は、あまりにも難しい計算になるので今回はやめておく。

今は、31個。840時間。0円。

ここからどうなるのか。その続きを、また書いていく。


✍️ この記事はTOM さんの寄稿をもとに構成しました。(サイト → enishi-note.site

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